18世紀から始まった製造業の歴史には、大まかに定義すると、4つの「産業革命」が含まれています。この中で、人力と馬力に代わって段階的に機械化が進んできました。機械化の最初の段階は、水力と蒸気力によるものでした。第2段階では、電力への移行と大量生産および組立ラインの導入が行われ、第3段階ではコンピュータと自動化が特徴となりました。どの段階でも、その前の段階と比べて生産の柔軟性が向上し、電力の利用効率が上がり、コストが削減されました。
現在は、インダストリー4.0と呼ばれる第4段階に入っています。これは、ロボット技術の導入、
モノのインターネット(IoT)技術による大規模なデータ収集、そして機械学習(ML)と人工知能(AI)を含むクラウドベースの要素などを使用することで、第3段階を基に発展させたものです。製造業において、インダストリー4.0はスマートファクトリーと同義となっています。スマートファクトリーでは、自動化システムがローカルプロセスについての決定を下して、相互に通信、協力し、工場内やクラウド上で人間のオペレーターとリアルタイムで対話します。
高度なパッケージング技術によって、インダストリー4.0における主要な目標の達成をサポート
DC/DCコンバータの高度なパッケージング技術は、効率の向上、サイズの縮小、さらにはコストの削減に役立ちます。
よりコンパクトな電源への要望により、トランス、制御デバイス、パワートランジスタ、およびその他のコンポーネントを単一のパッケージに統合したデバイスが生まれました。
ただし、ディスクリート設計に対するモジュールの利点を実現するには、設置面積を小さく保つ必要があります。これを達成するために、
非絶縁型DC/DCスイッチングレギュレータ と
絶縁型コンバータモジュールは、3Dアセンブリ技術を取り入れることでZ方向を利用し、設置面積の最小化と電力密度の最大化を実現しています。内部を見ると、デバイスにはリードフレーム上に低コストのフリップチップが搭載され、オーバーモールドによって統合型のインダクタが追加されています。
3D構造は効率の向上にも寄与します:これらのコンポーネントは互いに非常に近接して配置されるため、スイッチング電流ループがタイトになり、発生するEMIが非常に小さくなります。また、ディスクリート設計を上回る高い電力密度と最適化された熱性能が実現します。
ここまでは順調です。しかし、より低コストでより高い製品の信頼性を追求する中で、現代の電子機器製造ラインは、可能な限り手はんだ付けを含む手作業での組み立てを排除する方向に向かっています。ウェーブとリフローという2つの標準的な自動はんだ付け作業では、表面実装技術(SMT)パッケージを使用するコンポーネントが必要となります。データコンバータ、マイクロコントローラ、受動部品など、ほぼすべての電子コンポーネントはこの形式で利用可能です。しかし、伝統的に、統合DC/DCコンバータにはスルーホールSIPパッケージがよく使用されています。潜在的なエラーの原因となる追加の手はんだ付けステップが必要となり、組み立てが複雑になる可能性があるものの、PCBの設置面積を最小限に抑えることができるからです。
まとめ
インダストリー4.0では、DC/DCコンバータに対して信頼性、サイズ、効率についての厳しい要件が課せられています。RECOMの低電力絶縁型および非絶縁型DC/DCコンバータには、高度なパッケージング技術が採用がされており、製品の信頼性を向上させると同時に、コストを低減し、効率を高めています。そしてそれが、業界最高水準のパッケージサイズで提供されています。