環境発電

太陽電池は、屋内でも光を吸収して有用な電力を得ることができます。太陽電池の直流出力電圧は、100ルクスで500V〜800mV程度ですが、複数の太陽電池を直列に接続したり、より大きな太陽電池を使用したり、より強い光を照射したりすることで高い電圧を得ることができます。高負荷になると出力電圧が大きく低下するため、光量の変化に合わせて最適な負荷（最大電力点）を常に調整（トラッキング）する必要があります。

2つの異なる導体間に温度差があると、その間に電流が発生します（ゼーベック効果）。熱電発電機（TEGs）は、このゼーベック効果を利用して、半導体の接合部で周囲の熱を電気に変換し、使用可能な量の直流電力を発生させるものです。直流電力は、高温側と低温側の接合部の温度差と発電機の表面積に比例して増加します。

最も一般的な振動エネルギーハーベスタは、固定コイル内で磁石を動かし、交流電力を発生するバネ式のマスを使用します。マスとバネのシステムが振動の主な周波数と共振するように調整されていれば、大きな電力を生み出すことができます。

液体や気体を動かすことで、小型のタービンを回転させて発電します。このようなマイクロタービンは、空調ダクトや水道管または自動車の外面に設置して、自動車の走行によって発生する空気や水の流れから交流電力を得ることができます。渦流は、回転部分を持たない代替的なマスフロー環境発電方式です（圧電素子を参照）。

機械的な歪みを高電圧・低電流の出力に変換し、環境発電のエネルギー源として利用できます。例えば、圧電ベースは振動する渦流ワンドに使用され、その振動をAC電圧に変換します。

アンテナを使って電磁波（電界、Wi-Fi信号、電波）を集め、非常に低い電力（通常はμW）を発生させる装置で、室内で使用されます。ただし、屋外では指向性のあるマイクロ波を光源とすることで高出力を得ることができます。

ほとんどの環境エネルギー源の出力電圧は直接使用するには低すぎるので、環境発電システムにはDC/DC昇圧コンバーターが必要になります。昇圧コンバータは、低い入力電圧を高い電圧に変換し、小型バッテリーやスーパーキャパシタの充電に使用します。例えば、REHハーベスタは、DC0.05Vからの入力電圧を受けて、DC4.12Vまで昇圧して二次電池を充電したり、DC4.50Vまで昇圧して2セルのスーパーキャパシタを充電したりすることができます（ピンで選択可能）。

システムコントローラーは、蓄電素子の充電と放電を制御し、過充電や過放電にならないようにします。また、ステータス信号や、負荷によって蓄電素子が完全に消耗した場合には停電の警告信号を発します。REHハーベスタの場合、コントローラにはバッテリーバックアップスイッチも搭載されており、利用可能な周囲のエネルギーが十分でない場合（例えば、夜間の太陽電池源など）、一次電池から負荷を加えます。

蓄電素子（バッテリーやスーパーキャパシタ）に蓄えられた電圧は可変で、短絡保護されていません。降圧コンバータは、この非レギュレーション電源を効率的に、短絡保護された安定した固定電圧に落とします。REHハーベスタには、2つの独立したレギュレートされた降圧コンバータが搭載されており、アプリケーションの電源としてDC3.3VとDC1.8Vを供給します。