低電力DC/DCコンバータ向け3Dパワーパッケージング®

低電力スイッチングレギュレータおよび絶縁型DC/DCコンバータは、電気的性能や電力密度の向上に対する要求がますます高まっているにもかかわらず、コスト効率が求められています。メーカーは、これまで低コストの製造に役立つさまざまなフォームファクターによって対応してきましたが、トランスやインダクタを従来のPCBに手はんだ付けする場合、部品点数が最小限になることが多く、性能と製造の両面で妥協を強いられる結果となっていました。PCBフットプリントを最小限に抑えるために、スルーホールのSIPバージョンがよく使用されますが、組み立てが複雑になる可能性があり、基板上で使用される他のSMTコンポーネントについては、ウェーブはんだ付けや手はんだ付けとリフローはんだ付けプロセスを組み合わせる必要が生じます。

このタイプのスルーホールDC/DCコンバータは毎年何百万個も販売されていますが、RECOMの長期目標は、他の最新のSMTコンポーネントと同様に、効率的かつ繰り返し製造でき、取り扱い、配置、はんだ付けが可能なバージョンを開発することです。電気的性能を向上させ、今日のスリムな製品に合わせて製品を薄型にする必要があります。ただし、ディスクリート設計に対するモジュールの利点を実現するには、フットプリントは小さく保つ必要があります。これを実現するには、スイッチングレギュレータと絶縁型DC/DCコンバータモジュールで、3Dパッケージングとアセンブリ技術を組み合わせてZ方向を活用する必要があります。


RECOMが開発した革新的で最先端の製造技術は、高度な回路設計と熱設計によって補完され、配置やはんだ付けを処理する高速機械自動化に対応したパッケージで、高温でも驚異的な電力レベルを実現する、非常に高効率の製品を生み出します。その一例が、QFNパッケージのRPXシリーズです。0.8～30VDCのプログラマブル電圧で1Aまたは1.5Aの出力を提供するバージョンは、わずか3mm×5mm×1.6mmのサイズとなっています。

非絶縁型DC/DCコンバータは技術の進歩とともに小型化が進む一方で、絶縁型製品は実用的および法規上の沿面距離とクリアランス距離によって制限されています。これにより、最小のフットプリントサイズが実現しますが、RECOMは3Dパワーパッケージング技術を応用して高さも最小限に抑えています。例えば、SOIC-16 RxxCxxシリーズは、厳しい2MOPP/250VACの医療用等級の絶縁を備えながら、高さはわずか2.65mmとなっています。

3Dパワーパッケージング技術を採用したRECOMの製品は、産業用、医療用、ネットワーク、ストレージ、ポータブル機器、イメージングシステム、電気通信、プロセッサやFPGA用の「POL」電源など、スペースとコストが重要なアプリケーションに最適です。

安全機関認定の絶縁が必要な場合は、耐電圧に加えて、最小沿面距離とクリアランス距離が定義されます。例えば、商用電源システム電圧を使用する医療用アプリケーションでは、2つの患者保護対策（2MOPP）のために、入力と出力の間に8mmの沿面距離が必要です。この最小パッケージ寸法を前提とすると、RECOM RxxCT(E)やRxxC05TEのように、DVE SOIC-16リードフレームにワイヤボンディングされたパワーチップレットと制御チップレットで構成される内部ダイを使用し、従来の方法でオーバーモールドするという、より伝統的なアプローチを取ることができます。これらのDC/DCコンバータのトランスは、独自の非常に薄型の平面型設計で、最大5kVAC/1分の絶縁電圧と強化された2MOPP絶縁を実現しています。これらの製品の全体の高さはわずか2.50～2.65mmで、絶縁型DC/DCコンバータの高さが他の一般的なSMTコンポーネントよりも高くないため、カード型アプリケーションに適しています。